援助先からの手紙

2015年9月 ボリビアからのお便り2

ボリビア、オガールファティマのシスター井手からのお便りです。
シスター方が引き受けて下さっております、二つの障害児施設へシスター立石と共に視察に行ってくださり、ご報告をご送付くださいました。

このページは、2つめのご報告です。

アンデスのテレサ障害者施設 訪問

8月27日、重度心身障害児施設、アンデスのテレサを訪問し、10日前に施設長に就任したという、コロンビア出身のファウスト・アレハンドロ修道士さんから、この施設についてお話を伺う事が出来ました。コロンビアでは、日本とほとんど同じように国からの援助を受けている様で、ここボリビアの現状に、かなり驚いているようでした。早速、来週、福祉課の人との対談の予約を入れているようです。

アンデスのテレサには、6歳~50歳位の116名が入所しています。その方々のほとんどは園の門前に置き去りで、酷い時は常に門を閉めている為、門の外から投げ込んで園内に放置してある事もあったそうです。また、2年ほど前から全ての入所を断っています。なぜならその方々は退所する事がなく、更に成長していく、年を重ねるごとに投与するお薬、食事も増えて行くなど、経済的に追いつかない状態だからだそうです。

この施設はとても広い敷地を持っています。修道士さんが一刻も早く解決したい事の一つは精神科医を雇うという事です。勿論、経済的には更に厳しい状況になるのですが、 精神科医が施設にいない事で、それを必要としている青年達が、人間としての対応を受けていないからです。それらの青年達は自室から出ると、周りの人、訪問者に暴力を振るうからという理由で、一畳ほどのベッドのみが入る部屋に鍵をかけられて過ごしており、ドアにある小さな窓からおやつなどを頂く、まるで動物が餌を貰うかの様な状況でした。修道士さんは広い敷地を利用して、ベンチ、テーブル、花壇のある庭に柵を作り、彼らが自由に行き来できる場を作りたいとおっしゃっていました。これらの事を福祉関係の事務所に行って話されたそうですが、きれいな設備の整った事務所にいた担当者は、ひたすら『援助はありません』との言葉を繰り返すのみだったそうです。

ボリビアにはこの様な障害者の方々の為の病院が2つあります。しかし、一つの病院はある程度のテラピアを受けた後2~3ヶ月後には、退院しなければならないシステムなので、いずれまた以前の様な生活に戻るもしくは、アンデスのテレサに戻ってくるかだそうです。またもう一つの施設は満員で、入所できる見とおしがないとの事でした。

修道士さんは、ここにいる人々に、二度と以前のような生活を繰り返してはいけない、私達も、彼らを見放す事は出来ない事を繰り返しながらも『まるで自分は、ミキサーの中で、問題と共にかけられている様だ。』と、大きな声で笑っていらっしゃいました。そして『神様は、私達を助けてくれるでしょう』と何度も、深い信仰と希望を見せて下さった様に思います。

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