援助先からの手紙

2019年1月 インドネシアからのお便り(Sr.井上千寿代 活動を振り返り)

インドネシアのシスター井上からお便りが届きました。
1991年以来のご活動の振り返りです。

昨年一時帰国して、再びジャカルタに着いたとたんに、「ああ、我が家に戻った」という感覚がわいてきた自分に驚きました。1991年から、インドネシアで、貧しい人々へのミッションをいただき、はや、28年目になります。

 

初めは、ISJ (ジャカルタ・ソーシャル・インスティテュート)というNGOで、ジャカルタの貧しい人々の状態を学びながら、インドネシアの若者と一緒に、ストリートキッズのグループに、ハンディクラフト作りを紹介しました。民族衣装の人形のブックマークや、バティックの布でメモ箱やファイルを作りました。意外と上手にできたので、大使館のバザーや、日本人のグループ、さらに銀座四丁目の地下のコーナーの「愛のセール」のお店でも売っていただきました。そこで育ったマンスールという少年が、貨物列車から飛び降りそこなって、片足切断の手術をしたり、間違って友人を殺してしまい、一時刑務所に拘留されたりしたのですが、温かい先生方のおかげで、10年かかった2018年5月に晴れて、大学法学部をすることができたのです。私たちにとっても大きな喜びでした。

 

民主化改革の時代を迎え、ISJでは、さらに、貧しい地域が再開発のために強制撤去の対象になっているので、その地域の人々のリーダーシップトレーニングをし、子供達には本を読む喜びを与えようと移動図書を始めました。バスの中に入って本を探す喜び、時にはバスに乗って地域の周りを一周する喜び、子供だけでなく大人たちからも大歓迎でした。最近は、3年たってバスが故障する為、バイクやタクシーで本と楽器を抱えて地域をまわっています。なんとか昔の子供たちの喜びを造り出したいと考えています。

 

2018年の5月ごろから、ジャカルタの西部のカリデレスという地域に、アフガニスタン、ソマリア、シリア、スーダンなど、紛争の国々からの難民です。この方々が、昼間は、路上生活をしておられるのを通りすがりに気がつきびっくりしました。教会やイスラムのグループが援助していることを聞き、聖心会でもこの問題を取り上げたいということで、私が、近くに住んでいるので、情報を集めながら彼らがより人間的な生活ができるようにと、女性たちには刺繍の道具や、いろいろな色の毛糸を、男性や子供達には、英語の本、ノート、石鹸、歯ブラシなどを、週に2~3回運んでいます。2018年の12月22日のクラカタウの噴火で、津波による犠牲者の家族、被害者の家族のために、5~6時間車に、食料(米、水、玉子、など)衣類、薬、台所用品、制服などを積んで、今までに数回運びました。こうして28年のインドネシアでのミッションをふりかえり、多くの方々の支えられてきたことをしみじみと感じております。心から感謝申し上げます。

お問い合わせ

ご不明なことがございましたら

お問い合わせフォームからメッセージをお送りください