援助先からの手紙

2013年 シスター入江からのお便り

長年チャドで奉仕されていたシスター入江がこの度帰国され、チャドでの20年間を振り返って書いて下さいました。
お手紙の後には、チャドの写真も掲載しています。

シスター入江によるコメント付きで、たくさんあります。ぜひご覧ください。

海外邦人宣教者活動援助後援会様

 

私のチャドでの宣教活動を、20年に亘って直接・間接に支援してくださった皆様に心からの感謝を申し上げます。
アフリカは長い間、占領化され統治されてきました。
チャドはフランスから、独立し2010年に50周年を祝いました。アフリカの諸国も次々に独立50周年を祝っていました。しかし、いまだ完全に独立とは言えないと思います。
なぜなら、地下資源に恵まれたことがわざわいして紛争が絶え間ないからです。権力と金が、強く結びついているからです。そして、大国が権力者を支持して守っているとしか思えないことがあります。2008年のチャドのクーデターでは、ンジャメナだけが舞台となりフランスの介入で終焉しました。私は、400㎞離れている地方に居たので衛星放送されるニュースを見ながら、違う国で起こっている錯覚に陥りそうでした。そのあと、ンジャメナに行くと、区画整理をしたような町づくりが始まっていました。聞くところによれば、政府軍が反政府軍の鎮圧のためといって、そこに住んでいる人々を追い立てたということです。地方にいると、政治に疎くなりますがそれでも汚職・不正義は見えてきます。

 

富めるアフリカの悲劇です。富は、国民一般には配分されません。一部の権力者のものです。確かに、チャドでは、学校・病院・公共施設等が建築されました。しかし、施設の中身はお粗末なもので、いくつかの病院は、建物はあっても設備なしで長い間機能していませんでした。例をあげれば、切りがありません。

 

カトリック司教団は、クリスマスメッセージを通じて毎年国へ勧告をしています。そして、人口の50%がイスラム教徒という国で、宗教間の対話に努めています。
私は、診療所の活動をとおして無知なままに置かれている人々、また「井の中の蛙」に満足している人々にも出会ってきました。「健康は、人間として生きるための基本」と、診療所のスタッフは公衆衛生面に力を入れていましたが、地元民の反応は遅く、実践では遅々とした歩みです。それでも、ギダリ診療所の予防接種率の向上とともに流行性の疾患は担当地域では、あまり見られなくなりました。エイズ患者は、地元出身者が都市からUターンしてくる人に多く、地元にいる人々は少ないようです。90年代中間期から患者数の上昇をみるようになり、予防のキャンペーンが始まり、ちょっと効果を上げたようです。

 

地方の風習・慣習・伝統が、生活習慣を変えるのを妨げる要因になることもあります。
「女性は、鶏を食べてはいけない。」・「子供に、卵を食べさせるな。」等々。
バランスのある食事指導では、こういう風習をまず変えることから始まりました。
今は、この風習は改善されました。しかし、改善されるべきものはまだたくさんあります。

 

チャドの大統領は、統治を初めてすでに20年を超えています。一部のチャド人に言わせるとフランスが後ろ楯になっているからだそうです。市場の物量をみれば、経済は成長していますが、なお飢える人々がいるのです。国単位の援助がありますが、成果ははっきり見えません。「ポリオ撲滅運動」を、例にあげると、2000年から最初5年間のプロジェクトでしたがいまだに続いています。大陸でお隣のポリオが、入ってくるというのもありますが、ワクチンの効果に疑問がだされたこともあります。「ワクチンの効果」ということで、でてきたのは運搬中・保存状態などの管理問題です。たしかに、地域によっては子供にワクチンを飲ませない親もいます。これは、誤った観念が入ったからです。たとえば、石油基地ができたところでは、なぜか、「不妊の薬を飲ませる」といううわさが流れ、そのため親が子供を隠すという事態になりました。そのとき、この地方はポリオ患者が十数名に上りました。ユニセフからは、「チャドは穴があいた袋」と言われました。いまだに、ポリオ患者が出るたびに予防接種キャンペーンがあります。

 

チャドに関して、書くことはたくさんあります。でも、あまり長くなっても読むのが大変と思いますので、又の機会に報告いたします。 

2013年12月4日     

感謝と祈りのうちに、  
シスター入江多嘉子r.e.j. 
(ショファイユの幼きイエズス修道会)

ギダリ小教区でのお別れのミサの最後の方で私にお別れの品々を持ってきた参加者、現金が全部で、34,000フランセファー(日本円で6800円位)ですが特別献金ほどの額になります。

山羊1頭、鶏数羽頂きました。
これはみんな小教区に寄付してきました。

伝統ダンスです。恒例のもので歓迎でも踊ります。

小教区信徒と診療所のスタッフがお別れの宴をしてくれました。

【JOMAS追記:ギタリ診療所には、JOMASが毎年薬品、器材購入費を援助しています。】

予防接種を待っている子供たち。

ギダリ診療所のスタッフたち。

【JOMAS追記:前列右側がシスター入江です。】

ポリオの予防接種をしているところです。

診療所で生まれた三つ子です。

JOMASの援助で建設した多目的ホール

完成まで