発足から40年もの長い間、海外邦人宣教者活動援助後援会(通称JOMAS)に力を尽くした曽野綾子の意思をついで、この度新しく代表の任を引き継ぐシスター兄部(こうべ)純子(すみこ)より皆さまへ挨拶の言葉を掲載させていただきます。
シスター兄部はフィリピン・ミンダナオ島にて実際に現地に赴き宣教活動をした経験があり、JOMASも長期にわたりそのお手伝いを致しました御縁がございます。
この度JOMASの活動を今までの基本理念、および現地での援助の現実を身近に感じているシスター兄部が代表として加わることにより、JOMASは今後一層、皆さまのご寄付で「生きた活動」の援助を続けさせて頂きます。
御挨拶
見事な大輪の花を咲かせて、人々にその美しさと味わい深さで多くの人生の友になられた曽野綾子先生。その存在、身にまとわれた外見の見事さに比べれば、一介の修道女として人生を歩んできた私は、比較の対象にもならない者です。しかし、お互いにキリスト者として、信仰に基づく思い、そして願いは深いところで一致し、繋がっております。それがこの度私がJOMASのお仕事を引き受けさせて頂いた理由の一つです。
すべてのものは神の慈しみによって存在している事、世界人類は皆兄弟姉妹で神の家族である事、この肢体の弱く脆いところは強い部分が補い合って互いに健康を保っている事等、常日頃思い当たることがございます。信仰に基づいて活動されたJOMASの40年間の活動の歴史を誰かが継続して、人々を生かし続けなければならないと祈り、申し出られたお役目をお引き受けする決心に至った次第です。
私のJOMASとの出会いは、私の修道会を通してのことでした。赴任しておりましたフィリピン・ミンダナオ島では、子供達の給食、それに使用された給食配送の素晴らしい自動車、その他奨学金や大学生の教育活動等々、長期にわたるJOMASからの援助で沢山の生命が生かされ、育てられました。
また、アフリカのコンゴでも、内紛や民族闘争などのむごい戦争被害により難民となった多くの人々の救援にJOMASから巨額の援助をいただきました。コンゴの子供たちの間では今でも給食をいただくのに「JOMASに行こう!」と食事にありつける代名詞として使う者がいるほどです。
わずかに2年ばかりのフィリピンでの宣教経験でしたが、現地で受ける援助金は、正しく「生(いの)命綱(ちづな)」である事を実感いたしました。
曽野綾子先生は『神様それをお望みですか』『貧困の光景』『朝はアフリカの歓び』などの著書や、記事で、JOMASの活動を紹介されていらっしゃいます。それによってどれほどの多くの日本人の心の扉が叩かれ、他者に向かって開かれたことでしょう。
私も何度か曽野先生のお宅に伺い活動報告を伺うようになって、先生の信仰と、素晴らしい実行力、大きな懐に感嘆しております。
繋がった「生命綱」のパイプを、これからもスタッフ一同で力を合わせながら繋ぎ続ける努力を重ねてまいりたいと願っております。
何卒、これまで通りの御協力とお力添えを賜りますよう、心よりお願い申し上げ、御挨拶とさせていただきます。
聖マリア修道女会 兄部(こうべ) 純子(すみこ)